投資の世界に生きる

プロ投資家として投資の基礎を発信


Bitcoin相場について ~プロ投資家の視点~



要約

  • Bitcoinは暴騰と暴落を今後も繰り返すが、最終的に今よりも高い値段に着地する可能性が高い
  • 追記:現在BitcoinがBitcoinより技術的に優れたBitcoin Cashに資金シフトが始まったため、Bitcoin自体が廃れる可能性

導入

 年初来6倍以上の値上がりを続けているこおやCMでの露出も出てきていることから、Bitcoin(仮想通貨)に手を出そうか考えている方も増えているのではないでしょうか。

 そこで、今回プロの投資家としてBitcoinの相場についての見方、今後の見通しについて記述します。ちなみに、ややもするとプロの投資家はBitcoinには手を出さないというような記述がみられますが、そんなことはありません。

 ※今回の記事ではBitcoin投資にあたり考えるための材料を提供するのが主目的です。BItcoinが必ず儲かるとは限りません。

 ※ただし、あくまで私は株のプロであってBitcoinのプロではないので、Bitcoin自体の説明などは不正確である可能性があることはご了承下さい。

 

Bitcoin(仮想通貨)の基礎知識

 Bitcoin投資に必要最低限の基礎知識のみ紹介します。仮想通貨の性質、分類をご存知の方は飛ばして結構です。

Bitcoinとはなにか

 Bitcoinは仮想通貨と呼ばれる通貨の一種です。円や米ドル、豪ドルの仲間だと思ってください。

 では、仮想通貨といわゆる普通の通貨の違いは何かというと2点あります。

  1. 硬貨やお札など物理的なお金があるか
  2. 通貨の価値を担保する主体が国か 

 現状(2017/11)、仮想通貨の場合1,2共にNOです。今後変わる可能性はあると思います。上記の性質いずれもBitcoinを投資対象として見る際、重要な事実です。

 余談ですが、仮想通貨(crypto currency)の対義語は法定通貨(fiat currency)です。個人的に日本ではあまり法定通貨は聞かない気がしますが、海外ニュースではfiat currenyという単語は非常によく見ます。

Bitcoin以外の仮想通貨

 現状、Bitcoin以外の通貨はAltcoin(アルト又はオルト、コイン)と呼ばれています。

 Bitcoinと技術的に大きく異なるものや、多少変わるものがアルトコインとして存在します。その例が、イーサリウム(Ethereum), Ripple(リップル), Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)です。

これらの存在もBitcoinの相場を見るのに必要な事実です。

Bitcoin相場について

 Bitcoin相場の見方は大きく分けて3つあると考えています。

1. 従来の株、外国為替相場との関連

2. Bitcoinに関わるニュース

3. Altcoin相場との関連

 1,2は特にBitcoinのトレード/投資をするにあたり重要となります。以下でそれぞれについて解説します。

Bitcoin相場の見方

Bitcoinと株/外国為替市場の関連

 まずは過去一年のドル円とBitcoin(ドル建て)のチャートをご覧ください。(ドル建てですが、Bitcoinに比べドル円の値動き幅が極めて小さいため、Bitcoin円でもほぼ同じようなチャートになります)

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*1

 記憶に新しいということで、北朝鮮と諸外国の緊張が高まった8月の相場を見てみると、Bitcoinが急激に値を上げているのがわかります。もっと過去にさかのぼってもわかるのですが、概ね市場がリスクオフに傾くときにBitcoinは値上がりします。

  参考までに株との比較が以下のチャートです。

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*2

 では、リスクオンの時には値下がるのかというと、本来的にはそうなのでしょうが、株のチャートからわかるようにそういった強い傾向はみられません。

 つまり、現状では、株/外国為替相場がリスクオフでは値上がりする一方、リスクオンでは相場急落ということにはならないということです。

Bitcoinに関わるニュース

 では、Bitcoinが急落を見せるときはどんな時かというとBitcoin自体に対する悪いニュースが流れるときです。直近の2ケースを紹介します。

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  1. 中国によるICO規制(9月)...取引量/保有量ともに多い中国における仮想通貨取引規制の強化がされました。※ICOについての解説はここでは行いません。平たく言えば仮想通貨による資金調達で、株の上場の仮想通貨版のようなものです。
  2. Bitcoin Goldへの分裂(10月)...仮想通貨の分裂をハードフォークとも呼びます。Bitcoin保有者にBitcoin Goldを付与するというものでした。

 1のように国からの規制はBitcoin投資における最大のリスクです。政府系の発言は基本的にネガティブなものが過去多く、その際にBitcoin相場が急落します。他にもリスクがあるため、後ほどまとめ直しますが、Bitcoinの盗難も大きなリスクの一つです。古い記憶になると思いますが、当時最大の取引所だったMt.Goxがハッキングを受けたのが一つの例です。

 一方で、国からの支援というのはあまりありませんが、企業の仮想通貨採択などの話はBitcoinを大幅に値上げます。上のチャートでは丸を付けませんでしたが、10月末からの強い上昇は世界最大の先物取引所である、CMEへのBitcoin先物の上昇によって発生しています。

 2のハードフォークと呼ばれることは今後も起きることが考えられます。いままで、2回ありました。1回目が7/23のBitcoin Cash、今回のBitcoin Goldが2回目です。 サンプル数2ということですが、どちらも分裂後にBitcoinの価格自体は下げています。分裂前はというとBitcoin Cashの際は値上がり、Bitcoin Goldの際は値上がった後、Bitcoin Gold不要説で値下がりました。

 では、分裂によってもらえる仮想通貨と合計したらどうだったかというと、Bitcoin Cashの際は資産合計はプラス、Bitcoin Goldの際はマイナスでした。この違いは新規通貨が好かれるかどうかが大きいと思います。従って、今後のハードフォークの際には新規通貨に対して市場参加者がポジティブにみているのか、ネガティブにみているのかで判断すれば、分裂前に売るかどうかが決まるでしょう。

 頭の体操程度にですが、理論的には株の分裂のようなもので、値下がるのが理論上正しいです。ですが、おそらく今後も分裂によってはポジティブにとられ、資産合計でプラスとなることも十分あるでしょう。

Altcoin相場との関連

 確証をもった理由で説明できませんが、”経験上”Bitcoinが少し下げているときは大体Altcoin相場が上がっています。逆もまたしかりです。このように、原則BitcoinとAltcoinは逆相関の関係にあります。

 理由としてはBitcoinとAltcoinのペアトレードだったり、などでしょうか。

※プライスデータを集めるのをさぼったので統計的に逆相関にないなど調べた方いましたら一報頂けると幸いです。

Bitcoin相場の激しさ

 軽くBitcoinの相場がどれだけ大きく変動するかについて、記載しておきたいと思います。大体1日5%価格が前後すると思ってください。ちなみに、株だとせいぜい1-2%、ドル円なら0.5%以内といった具合なので、どれだけ大きく動いているかわかると思います。

 従って、リスク管理には注意が必要です。株で物足りないなと思って株と同じ金額突っ込んでしまうと思った倍以上の損を抱える可能性もあります。

 Bitcoin相場の見通し

ここでは、私一個人のBitcoin相場の先行きについての考察を述べたいと思います。

Bitcoinの適正価格について考えてみる

 Bitcoinに適正価格があるのかについて考察したいと思います。なぜなら、このように激しい値上がりを続けている資産にどこまでついていくかを判断する拠り所が必要だと考えているからです。

 この議論でキーとなるのは、世の中のお金のいくらがBitcoinになるかということです。この議論を行う際に大きく分けて3つの比較対象があると思います。

 1つ目は物理的に存在する法定通貨です。現在、世界中に存在する法定通貨はおおよそ760兆円です。*3

 2つ目は手形など簡単に換金できるものまで含めた世界中のお金は、3,700兆円くらいあります。*4

 3つ目は定期預金など簡単に換金できないものも含めた世界中のお金は、9,000兆円くらいあります。*5

 一方で、これらに対して現在のBitcoinは10兆円程度で、Bitcoinは現在1,700万枚程度(2017/11)*6、最大でも2,100万枚です。つまり、上記の比較対象のどれの何%がBitcoinになるかを考えれば理論的なBitcoinの値段が出ます。現状では、1に対し1.3%、2に対して0.3%程度です。

Bitcoinはバブルか/今後の相場の見通し

 では、上記の適正価格について考えた上でBitcoinがバブルかどうか考えたいと思います。おそらく、市場の大方の見方はバブルであるという結論だと思います。実際に、今現状でBitcoinが金銭取引の1.3%も占めてるとは到底思えません。従ってバブルと言えるでしょう。

 また、バブルの証拠もいくつか市場の動きでわかるところがあります。それは、Bitcoinの値上がりが止まると急落するという現象が起きているということです。実際に今年も6,7,9月と価格が停滞気味の時に暴落しています。多少悪いニュースがあったといえども、価格停滞後の急落は、値上がりが需要を呼び込んでいるだけという証拠でもあります。

 さらに言えば、金銭取引を目的とした通貨としてのBitcoinはボラティリティが高すぎて本来の役目を果たせません。つまり、Bitcoinの本来の価値が現れるのは値動きが止まってからになります。その為にはBitcoinはこれからも暴騰と暴落を繰り返しつつ値動きを小さくしていく必要があるでしょう。

 ですが、視点を長期的な目線に置き換えれば話は多少変わってきます。長期投資としては仮想通貨は現在の法定通貨より優れているところも多くあり、有望とも思えるでしょう。理由としては、クレジットカードや電子マネーが普及しつつあるように、本来的に人はお金そのものを持たないことのメリットも多くあります。いくつかの問題点があるものの仮想通貨は何年後かわかりませんが、それなりに大きな金額を持ったものになるとは思います。それこそ現在の1.3%なんて小さい数字だと思います。

 従って、私の結論はしばらく激しい値動きが続きますが、何年後かにはBitcoin/仮想通貨は今よりも遥かに高い値段をつけていると予想しています。

Bitcoin/仮想通貨の投資戦略

 私が誰でもうまくいく可能性があると思うのが、「激しい値下がり(10%超)の後、値段が戻ってきたあたりで買う」という戦略です。

 間違っても、値下がっているときに買ってはいけません。さらに下がる可能性がありますので。このような戦略をお勧めするのは上記で説明したようにBitcoinはしばらく暴騰暴落を繰り返すと考えられますが、最終的には今よりも高い値段で決着がつくと予想しているからです。

 利益の確定は個人的には値段を戻して、値段が停滞したらでいいと思います。上述したように価格が停滞すると暴落するリスクが高まるので。

 また、プロの投資家としての短期売買をされる方向けのアドバイスは、ショートには相当の注意を払った方がいいということです。これはBitcoinに限らずですが、暴騰の危険性がある商品をショートしてしまうと買い戻せないリスクが出てきます。手元資金がないと、資金繰りをしている間にどんどん値が上がって更に、損を大きく抱えることになるので要注意です。

リスク

 ここでは、Bitcoin投資のリスクについて言及しておきたいと思います。

  1. ハッキング...根本的なものですが、Bitcoinの取引サイトのセキュリティが甘いのか、ハックされて勝手にBitcoinを送られたりしたというケースが散見されます。法定通貨ですと口座にしか送れないので足がつきやすいですが、Bitcoinの場合そうではないので要注意です。各取引サイトは二段階認証などで手を打っています。
  2. 他の仮想通貨の台頭...Bitcoinに用いられている技術は進歩しており、それを使った新しい仮想通貨はいくつか生まれていますし、今後も生まれるでしょう。その際にBitcoinに見切りがつけられる可能性は大いにあります。
  3. 政府の規制...仮想通貨全般に対する規制は今後とも進むと思います。中国のように取引禁止など過激なものであれば、一時的な暴落は避けられないでしょう。
  4. ハードフォーク...上述した、仮想通貨の分裂のことです。基本的には元となる通貨は価値が減ります。今は異様にBitcoin人気が高いのでBitcoinの値も大幅には下がりませんが、Bitcoinより優れたものが出てきているので、いつ分裂後の通貨にBitcoinがとってかわられるかわかりません。

参考文献

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